2025/02/03 13:02


写真は店頭のコーヒーの木から収穫したコーヒーチェリーです。

「○○ナチュラル」とか「○○ハニー」など、コーヒーの銘柄でなんとなく聞いたことがあるかと思います。それはいったいなんなのか???ここではコーヒーの基本的な精製方法を簡単にご紹介します。精製方法によって個性も変わってくるので、ぜひコーヒー豆選びの参考にしてみてくださいね♪

ナチュラルプロセス

完熟したコーヒーチェリーを、収穫した実のまま乾燥棚に広げて2週間から1ヶ月程度、長いものでは40〜45日をかけて混ぜながら乾燥させ、完全に乾いてから果実を取り除く昔ながらの精製方法です。果実をつけたまま乾燥させることで、フルーティーなフレーバーや品種ならではの個性が楽しめることが大きな特徴です。ただ、精製過程でのカビのリスクなどもあることから、気温が高い・日差しが強い・水源に乏しいといった特徴をもつエリアで用いられることが多いようです。

ウォッシュドプロセス

完熟チェリーを収穫してすぐに果肉を除去。水に浸して発酵させ、撹拌を繰り返してミューシレージ(コーヒー豆のまわりのヌメヌメ部分)を取り除きます。すすぎ洗いを経てきれいになった豆を乾燥棚などに広げ、天日または機械で乾燥させます。軽やかでクリーンな味わいが特徴です。

いいトコ取り?!のハニープロセス

ナチュラルプロセスとウォッシュドプロセスのちょうど間をとった様な精製方法です。果肉(皮)を取り除き、ミューシレージはそのままにして乾燥させます。(ヌメヌメが蜂蜜に似ていることからハニーと名付けられたそうです)また、最終的に豆に残す果実の量によってブラック・レッド・イエロー・ホワイトの色に分類されています。その名前のとおり、生豆には少しコーヒーチェリーの色が残っているのが特徴です。豆の持つ個性やフルーティーさを残しつつ、ウォッシュドほど水を大量に使わないといういいトコ取りのような精製方法といってもいいかもしれませんね。

インドネシアのスマトラ式

インドネシア独自に古くから取り入れられてきたのがスマトラ式です。その名の通りインドネシアのスマトラ島で生まれた精製方法で、通常は乾燥させてから脱穀しますが、完全に乾燥する前に脱穀するのが特徴です。生豆は緑ががった独特な色合いで、濃厚でスパイシーな風味が味わえます。

精製手順を簡単に並べると<収穫→水につける→果肉除去→ミューシレージ除去→予備乾燥→脱穀→本乾燥>といった感じです。

また、他の生産地では収穫した実を精製場などに集めて精製することがほとんどですが、スマトラ式では予備乾燥まで農家さんが行っています。各乾燥工程を短縮しながら品質管理できる雨が多い地域ならではの工夫ですね。難点としては、まだ柔らかい半乾き状態で脱穀するため生豆が割れたり傷がついてしまうことも。そのため、より丁寧で繊細な生産管理が求められます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 36ff29b1f0476406ed089adaeb26965f-1.jpgコーヒーの実を取り除くと豆の周りにはヌメヌメとした膜が残ります。これがミューシレージです